Shopify のマーケットとは?使いこなして越境 EC を実現する方法を徹底解説!
目次
はじめに
今回は、Shopify のマーケットの概要と設定方法について解説していきます。
この記事では、以下の読者を対象にしています。
- Shopify におけるマーケットについて詳しく知りたい
- Shopify で越境 EC を実現したい
- 販売する国によって最適なサービスを提供したい
それでは解説していきます。
Shopify におけるマーケットとは?
Shopify におけるマーケットとは、国や地域のグループのことで、それぞれに異なる設定を適応できます。
マーケットを使い、さまざまな国や地域に対して適切な設定を割り当てることで、それぞれに最適なサービスを提供することができます。1 つのマーケットに対して、1つまたは複数の国や地域を割り当てることができます。例えば、アメリカのみ異なる設定を適応させたい場合は、アメリカのみを含む別のマーケットを作成することができます。
また、使用可能なマーケットの数は Shopify のプランによって以下のように異なります。
Shopify プラン | 使用可能なマーケット数 |
---|---|
Pause and Build | 3 |
スターター | 3 |
ベーシック | 3 |
スタンダード | 3 |
プレミアム | 最大 50(3 つを含む) |
Shopify Plus | 50 |
Shopify のプランについてより詳しく解説している記事はこちらから
Shopify の各プランの特徴と変更方法を徹底解説!
初めてマーケットを利用する場合
Shopify ストアを作成すると、デフォルトで以下のマーケットが作成されます。
主要マーケット
主な販売先となる国や地域です。ストア・住所・通貨によって決められ、多くの場合あなたの国内のマーケットとなります。主要マーケットが顧客が利用するデフォルトのストア環境になります。
国際マーケット
あなたと似たマーチャントが販売している可能性が高い国や地域がまとめられたマーケットです。
国際マーケットはデフォルトでは無効となっており、これらの国の顧客はそのマーケットを有効にするまで商品をチェックアウトできません。
販売しない国と地域
どのマーケットにも属していない全ての国や地域です。これらの国の顧客はあなたのストアからチェックアウトできません。
マーケットの管理に必要なスタッフ権限
マーケットの設定を行うには、以下の権限が必要になります。設定をスタッフに任せる場合は、これらすべての権限を付与してください。
- ホーム
- 注文
- 項目を編集する
- エクスポート
- 商品管理
- 商品をエクスポートする
- ストア分析
- 割引管理
- ストアの設定
- 設定を管理する
- ドメイン
マーケットのタイプ
この章ではそれぞれのマーケットのタイプや、その変更方法について解説していきます。
「初めてマーケットを利用する場合」で説明した通り、デフォルトでは以下のタイプのマーケットが作成されます。
- 主要マーケット
- 国際マーケット
- 販売しない国と地域
また、販売戦略に合わせて下記のように独自のマーケットを作成することも可能です。
- 単一国のマーケット
- 複数カ国のマーケット
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
主要マーケット
主要マーケットはあなたが販売する主な国または地域です。基本的にはあなたの本国または国内のマーケットである場合が多いです。
新しいストアの場合、主要マーケットは、[設定] > [ストアの詳細] で設定されている「ストア通貨」によって決められます。ストアの住所と異なっている場合もストア通貨によって判断されます。例えば、ストアの住所に日本の住所が設定されていたとしても、ストア通貨にアメリカドルが設定されていると、主要マーケットはアメリカ合衆国に設定されます。
主要マーケットには国や地域を一箇所のみ登録することができ、これを削除することはできません。
ストアへのすべての変更は、自動で主要マーケットに適用されます。商品の価格の変更や、新しい在庫のロケーションの設定等をすると、それらの変更は主要マーケットに自動的に反映されます。
単一国のマーケット
単一国のマーケットには、1つの国または地域だけを登録することができます。単一国のマーケットを作成すると、そのマーケットの通貨には自動的にその国の通貨が設定されます。ただし、その国の通貨が Shopify からサポートされていない場合、そのマーケットの通貨にはストア通貨が設定されます。
顧客を国や地域で絞り込みたい場合は、単一国のマーケットを使用して販売する必要があります。例えば、主要マーケットが日本であり、海外での販売の大部分がアメリカで行われている場合、アメリカのみを含むマーケットを作成します。そしてアメリカの顧客に合わせてローカライズした専用の内容を表示させることにより、販売とコンバージョンを向上させることができます。
複数カ国のマーケット
複数カ国のマーケットには、複数の国や地域が含まれています。複数カ国のマーケットを作成すると、デフォルトの基本通貨として、ストア通貨が設定され、現地通貨が有効になります。複数の国マーケットで現地通貨を無効にすると、そのマーケットの利用者は全員マーケットの基本通貨、またはあなたが選択した別の基本通貨で購入することになります。
複数の国マーケットで利用する基本通貨は、固定の商品価格を設定するために使用されます。
活用方法としては、類似するターゲット戦略をもつ国や地域をまとめて複数国のマーケットにします。例えば、ドイツ、フランス、ベルギー、イタリアで販売しており、これらの国で同じ商品を同じ価格、配送料、ドメインを共有しているとします。この場合、4 か国すべてを含む複数カ国のマーケットを作成することで効率的に収益を上げることができます。
国際マーケット
マーケットを初めて利用すると、自動で国際マーケットが作成されます。国際マーケットには、あなたと同じようなマーチャントも販売している可能性のある国や地域がまとめられたリストが含まれています。国際マーケットはデフォルトでは無効に設定されています。国際マーケットを有効に設定すると、国際マーケットに含まれるすべての国で販売を開始できます。
販売しない国と地域
[マーケット] ページには、[販売しない国/地域] と呼ばれるマーケットが存在します。このマーケットは自動的に作られ、削除はできません。このマーケットには、現時点で販売していない他の全ての国や地域が入っています。これらの国や地域の顧客がオンラインストアにアクセスすると、主要マーケットで設定されたデフォルトの言語と通貨が表示されますが、購入することはできません。新たにマーケットを作成したり、既存のマーケットに国や地域を追加した際は、その国は自動的に [販売しない国/地域] から削除されます。
マーケットの各種操作方法
主要マーケットの変更
EC 販売戦略の変更に合わせて、主要マーケットで選択されている国や地域を変更できます。
以下の手順で、主要マーケットを別の国や地域に変更できます。
-
ストア管理画面で [設定] > [マーケット] に移動します。
-
[概要] 内の [メイン] をクリックします。
-
[編集] ボタンをクリックします。
-
表示される国の一覧から新たな国または地域を選択、または検索バーを使用して国または地域を検索および選択します。
-
[保存] をクリックします。
また、主要マーケットを変更すると、以前設定されていた国や地域は自動的に国際マーケットに移動します。
マーケットの追加
特定の国や地域により適したオンラインストアを構築する場合、[マーケット] ページから新しいマーケットを追加できます。例えば、EU のような国のグループや、フランスのような1つの国を選択することができます。
新しいマーケットを追加すると、あなたのストアと似た他のストアに基づいておすすめのマーケットが提案されます。おすすめのマーケットは、同じ主要マーケットを持つ類似した他のマーチャントからのデータに基づいて、あなたがより効率的に販売できる可能性の高い国や地域が提案されます。
すでに他のマーケットに含まれている国や地域を新しいマーケットに追加すると、その国や地域はもともと所属していた既存のマーケットから削除されます。既存のマーケットにそれ以外の国や地域が設定されていなかった場合、既存のマーケットは自動的に削除され、関連する国際価格、ドメイン、カスタマイズ、サブフォルダも全て削除されてしまいます。
新しいマーケットを作成して、まだその国や地域への出荷をしていない場合、そのマーケットは無効になっています。お客様がストアからチェックアウトする前にマーケットを有効にしてください。また、すでに出荷をしている場合はデフォルトで有効に設定されます。
手順
-
ストア管理画面から、[設定] > [マーケット] に移動
-
[マーケットを追加] をクリック
-
[マーケット名] を入力(マーケット名が顧客に表示されることはありません。)
-
[国/地域] から追加する国や地域を検索・選択(複数可)
-
[マーケットを追加]をクリック
マーケットのプレビュー
ストア管理画面では、マーケットの顧客が実際に見る画面をプレビューできます。有効なマーケットでも無効なマーケットでも、そのマーケットに追加した全ての言語でプレビューできます。言語を切り替えてマーケットをプレビューする場合、テーマの言語セレクターがアクティブになっていることを確認し、プレビューの言語の切り替えができることを確認してください。
手順
-
ストア管理画面から、[設定] > [マーケット] に移動
-
プレビューするマーケットをクリック
-
[プレビュー] をクリック
マーケットの有効化
新しく追加したマーケットの国や地域にまだ出荷していない場合、そのマーケットはデフォルトで無効に設定されています。つまり、これらの国や地域の顧客はあなたのストアでチェックアウトができません。
マーケットを有効にするには、そのマーケットに属する全ての国と地域に配送料を設定しなければいけません。マーケットを有効して販売を開始する前に、ドメイン、言語、通貨、価格など、マーケットの設定を別途行うことができます。
手順
-
ストア管理画面から、[設定] > [マーケット] に移動
-
[無効] 内でアクティブにするマーケットをクリック
-
[無効] ドロップダウンメニューをクリックし、[有効] を選択
-
[保存] をクリックして確定
マーケットの無効化
特定のマーケットの顧客に物理的な商品を販売したくない場合、そのマーケットを無効にできます。このアクションはすでに確定している注文には影響しません。マーケットを無効にしても全てのマーケット設定は削除されることはありません。なのでいつでも元の状態で再有効化することが可能です。マーケットを無効化すると、対象の国や地域の顧客は新たにチェックアウトすることができなくなります。
関連づけられたドメインを使用していたマーケットを無効にした場合、そのドメインは、訪問した顧客を主要マーケットのドメインに自動的にリダイレクトするようになります。ただし、サブフォルダを使って設定したマーケットを無効にした場合、サブフォルダの URL が機能しなくなります。顧客が引き続きストアにアクセスできるようにリダイレクトを設定することをお勧めします。
手順
-
ストア管理画面から [設定] > [マーケット] に移動
-
[有効] 内で、無効にするマーケットをクリック
-
[有効] ドロップダウンメニューをクリック、[無効] を選択
-
[保存] をクリックして確定
マーケットの削除
[マーケット] ページ内でマーケットを削除できます。削除すると、そのマーケットの顧客は物理的な商品をチェックアウトすることができなくなり、サブフォルダの URL は使えなくなります。使えなくなります。ただし、すでに確定した注文に影響を与えることはありません。マーケットを削除するとそのマーケットは完全に削除されます。
手順
-
ストア管理画面から [設定] > [マーケット] に移動
-
削除するマーケットをクリック
-
[マーケットを削除] をクリック
-
[削除] をクリック
既存のマーケットの国や地域を編集
販売戦略の変更に合わせて、既存のマーケットに含まれる国や地域を追加・削除できます。
既存のマーケットに国や地域を追加する
既存のマーケットに国や地域を追加できます。例えば、すでにドイツとフランスを含む複数国のマーケットで販売しており、新たにイタリアでの販売を開始するとします。その場合、イタリアを今ある複数国のマーケットに追加できます。
手順
-
ストア管理画面から [設定] > [マーケット] に移動
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国や地域を追加したいマーケットをクリック
-
[編集] をクリックして、[国/地域] 内の [編集] をクリック
-
追加する国や地域を検索し、選択する
-
[保存] をクリック
既存のマーケットから国や地域を削除する
既存のマーケットから国や地域を削除できます。例えば、EU 内の全ての国を含む EU のマーケットがあるとします。ありとあらゆる手を尽くしたがイタリアでの売上が上がらず、それ以外の国での営業に注力することにします。この場合、イタリアを EU のマーケットから削除できます。
手順
-
ストア管理画面から [設定] > [マーケット] に移動
-
国や地域を削除したいマーケットをクリック
-
[編集] をクリックし、[国/地域] 内の [編集] をクリック
-
削除したい国や地域を検索し、選択を解除
-
[保存] をクリック
また同じ例で、EU のマーケットの中でドイツでの売上が急増しており、ドイツでの販売により特化するために、新たに作った単一国のマーケットにドイツを追加したとします。その場合は、新たなマーケットにドイツが追加されたタイミングで、自動的に EU のマーケットからドイツが削除されます。
終わりに
今回は、Shopify のマーケットについて詳しく解説しました。
越境 EC を実現する上で、マーケットの知識は欠かせません。うまく活用して売り上げを向上させましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。