Shopify ストアで購入制限を実現する方法を徹底解説!
目次
- はじめに
- 購入制限とは?
- 購入制限のメリット
- メタフィールドを用いたコーティングで商品の数量規制による購入制限を行う方法
- アプリを用いて商品の数量規制による購入制限を行う方法
- おひとり様一点限りの設定を行う方法
- 終わりに
はじめに
今回は、Shopify ストアで商品の数量規制による購入制限を実現する方法を解説していきます。
1 つ目は、メタフィールドを用いたコーディングで数量規制による購入制限を実現する方法です。
2 つ目は、アプリを用いて数量規制による購入制限を実現する方法です。
それぞれの方法について詳しく解説してきます。
購入制限とは?
購入制限とは、特定の商品やサービスの購入可能数や購入条件を制限することです。具体的には、購入する商品の数量・期間・購入金額を条件に購入制限を行います。特定の顧客群にのみ商品やサービスを提供することで、その商品の独占性や希少性を高める目的でも利用されることがあります。
購入制限のメリット
購入制限は多くのストアにとっては、非常に魅力的な販売戦略です。そのメリットは、以下のようなものがあります。
- 在庫管理の効率化
購入制限を行うことにより、予期せぬ大量購入を防ぎ、結果として在庫切れを避けることができます。オンラインストアで在庫切れの商品が増えると、顧客が選べる選択肢が限られ、その結果、ストアからの離脱を引き起こす可能性があります。
- 転売の防止
購入制限を行うことのメリットの一つは、転売の防止です。人気商品や限定アイテムの場合、購入制限を行うことで、これらの商品が市場価格よりも高値で不正に転売されることを効果的に抑制することができます。
- ショッピング体験の向上
商品への購入制限を行うことは、その商品の独占性を高め、限定感を巧みに演出する効果的な手段です。これにより、商品自体が持つ本来の価値をより一層引き立てることが可能となり、顧客のショッピング体験の向上が期待できます。
メタフィールドを用いたコーティングで商品の数量規制による購入制限を行う方法
まずは、メタフィールドを用いたコーティングで商品の数量規制による購入制限を行う方法について解説します。
「Shopify GraphQL App」のインストール
今回は、GraphQL を用いてメタフィールドを作成していきます。
「Shopify GraphQL App」にアクセスしてください。「Shopify GraphQL App」はストア上で GraphQL を使用できるように Shopify が用意しているアプリです。
上記の Install の部分に Shopify の開発ストアの URL を入力し、「Select all」 をクリックして、「インストール」ボタンを押すと、Shopify の開発ストアに 「Shopify GraphQL App」をインストールすることができます。
ストアのメタフィールドに購入制限機能の情報を設定
ストアのメタフィールドに購入制限機能の情報を設定します。
以下の画像は、今回実装する GraphQL コードです。Mutation
と Variables
を順に解説していきます。
Mutation
まずは、Mutation
です。以下のコードを画像の赤枠の部分に貼り付けてください。
mutation MetafieldsSet($metafields: [MetafieldsSetInput!]!) {
metafieldsSet(metafields: $metafields) {
metafields {
key
namespace
value
createdAt
updatedAt
}
userErrors {
field
message
code
}
}
}
引数
今回は、metafieldsSet
API を用います。これは、メタフィールドの値を作成・更新するための API です。こちらの API には引数として、以下のものを渡します。
key
namespace
ownerId
type
value
順に説明します。
-
key
メタフィールドを識別する一意の値です。 -
namespace
メタフィールドのグループのコンテナです。メタフィールドが集まった箱のようなものです。 -
ownerId
メタフィールドが関連付けられているリソースの固有の識別子です。 -
type
メタフィールドに格納されるデータの種類を指定します。 -
value
メタフィールドに格納されるデータです。文字列として格納します。
具体的に渡す値は、Variables
に設定します。
戻り値
metafields
ブロックには、登録されたメタフィールドの情報が入ります。
戻り値として、以下のものが返ってきます。
key
namespace
value
createdAt
updateAt
key
・namespace
・value
に関しては、先程と同様です。
-
createdAt
メタフィールドが作成された日時です。 -
updateAt
メタフィールドが更新された日時です。
userErrors
ブロックには GraphQL の実行中に発生したエラーに関する情報が入ります。
戻り値として、以下のものが返ってきます。
field
message
code
順に説明します。
-
field
エラーが発生した入力フィールドの場所を示しています。 -
message
エラーメッセージです。 -
code
エラーコードです。
Variables
次に、metafieldSet
に渡す引数、Variables
の部分について解説します。
完成形のコードがこちらです。
{
"metafields": [
{
"key": "order_limit_config",
"namespace": "order_limit_app",
"ownerId": "gid://shopify/Shop/67358163174",
"value": "{\"status\": \"enabled\"}",
"type": "json"
}
]
}
各設定項目について詳しく見ていきましょう。まず、メタフィールドの key
と namespace
です。今回は、key
に order_limit_config
、namespace
に、order_limit_app
を指定しています。
次に、ownerId
を設定します。以下の GraphQL クエリを実行して Shop の id を取得してください。
{
shop {
id
}
}
============================================
# 実行後のレスポンス
{
"data": {
"shop": {
"id": "gid://shopify/Shop/67358163174"
}
},
"extensions": {
"cost": {
"requestedQueryCost": 1,
"actualQueryCost": 1,
"throttleStatus": {
"maximumAvailable": 2000,
"currentlyAvailable": 1895,
"restoreRate": 100
}
}
}
}
ownerId
に、取得した Shop の id を設定してください。
次に、value
に購入制限機能の情報を設定します。
今回は、以下の json データを文字列にエスケープしたものを設定します。これには、購入制限機能が有効かどうかの値が含まれます。
{
"status": "enabled"
}
上記で作成した Variables
を、画像の赤枠の部分に貼り付けてください。
GraphQL を実行
実行ボタンをクリックして GraphQL 実行してください。
これで、ストアのメタフィールドに購入制限機能の情報を設定できました。
商品のメタフィールドに購入制限数を設定
次に、商品のメタフィールドに購入制限数を設定します。
以下の画像は、今回実装する GraphQL コードです。Mutation
と Variables
で順に解説します。
Mutation
まずは、Mutation
です。ストアのメタフィールドを設定したときと同じコードを設定してください。
mutation MetafieldsSet($metafields: [MetafieldsSetInput!]!) {
metafieldsSet(metafields: $metafields) {
metafields {
key
namespace
value
createdAt
updatedAt
}
userErrors {
field
message
code
}
}
}
Variables
次に、Variables
の部分です。
完成形のコードがこちらです。
{
"metafields": [
{
"key": "order_limit_number",
"namespace": "order_limit_app",
"ownerId": "gid://shopify/Product/8362227761382",
"value": "{\"min\": 1, \"max\": 4}",
"type": "json"
}
]
}
各設定項目について詳しく見ていきましょう。まず、メタフィールドの key
と namespace
です。今回は、key
に order_limit_number
、namespace
に、order_limit_app
を指定しています。
次に、ownerId
を設定します。まず、商品の id を取得します。
ストアの管理画面の左側の「商品管理」をクリックしてください。
購入制限をする商品を選択してください。
以下のページの URL の末尾の数字が商品 id です。
gid://shopify/Product/XXXXXXXXXX の XXXXXXXXX
に取得した商品の id を設定してください。
次に、value
に購入制限数を設定します。
今回は、以下の json データを文字列にエスケープしたものを設定します。これには、購入制限数の下限と上限が含まれます。
{
"min": 1,
"max": 4
}
上記で作成した Variables
を、画像の赤枠の部分に貼り付けてください。
GraphQL を実行
実行ボタンをクリックして GraphQL 実行してください。
以上で商品のメタフィールドに購入制限数を設定できました。
あとは、カートページで、ストアのメタフィールドから購入制限機能の情報を取得して、購入制限機能が有効かどうかを検証する処理を追加します。また、購入制限機能が有効の場合、商品に購入制限数を適用する処理を追加してください。詳しい処理はかなり難しくなるので、ここでは割愛します。
アプリを用いて商品の数量規制による購入制限を行う方法
Shopify アプリの「シンプル購入制限|お手軽注文制限」を用いて、数量規制による購入制限を導入します。以下の記事を参考に解説していきます。
【Shopify アプリ】シンプル購入制限|お手軽注文制限について徹底解説|ご利用ガイド
「シンプル購入制限|お手軽注文制限」は、数量規制による購入制限を簡単に実現できるアプリです。また、Cart and Checkout Validation API に対応しているため、従来のアプリと比べて、より堅牢な購入制限を実現できます。
料金:月額 6.99 ドル
※開発ストアは無料で使用できます。
それでは、実際に解説していきます。
アプリをインストール
まずは、アプリをインストールしていきます。以下のリンクにアクセスしてください。
以下の画面に遷移します。「インストール」ボタンをクリックしてください。
「インストール」ボタンをクリックすると以下の画面に遷移します。「インストール」ボタンをクリックして、アプリのインストールを行いましょう。
以下の管理画面が表示されます。
以上でアプリのインストールは終了です。
購入制限設定
管理画面にて、購入制限設定を行います。
右上の「購入制限商品を追加」ボタンをクリックして、「購入制限設定」ページに遷移してください。
まず、「購入制限を設定する商品を選択」セクションで、購入制限する商品を設定します。
購入制限する商品を選択して、「追加」ボタンをクリックしてください。
次に、「個数制限設定」セクションで、個数制限を設定します。
個数制限(下限)・個数制限(上限)を入力してください。どちらか一方のみを入力しても構いません。
最後に、「保存する」ボタンをクリックして、設定を保存してください。
以上で購入制限設定は終了です。
購入制限機能を有効化
購入制限機能を有効化します。左側のメニューの「設定」をクリックして、「設定」ページに移動してください。
「設定」ページの「購入制限機能有効化」セクションで、購入制限機能の有効化を行います。
「有効」を選択して、「保存する」ボタンをクリックしてください。
以上で購入制限機能を有効化は完了です。
購入制限商品一覧の確認
購入制限商品一覧の確認をします。左側のメニューの「購入制限管理」をクリックして、「購入制限管理」ページに移動してください。「購入制限管理」ページでは、購入制限商品を一覧で確認できます。
以上で購入制限商品一覧の確認は完了です。
エラーメッセージの表示
設定した購入制限を満たしていない場合には、以下のページでエラーメッセージが表示されます。「Cart and Checkout Validation API」を導入しており、商品ページに加え、カートページ・チェックアウトページでエラーメッセージを表示できます。
- 商品ページ
- カートページ
- チェックアウトページ
商品ページ
商品ページでは、以下のようにエラーメッセージが表示されます。
カートページ
カートページでは、以下のようにエラーメッセージが表示されます。
チェックアウトページ
チェックアウトページでは、以下のようにエラーメッセージが表示されます。
おひとり様一点限りの設定を行う方法
おひとり様一点限りの設定を行う場合は、シンプルおひとり様一点限りの購入制限設定を使用することになるかと思います。
おひとり様一点限りの設定を行う専用アプリで、非常に安価でシンプルなアプリです。
以下が、Shopify 公式のアプリストアです。
以下の記事に、詳細な使い方がまとめてあります。
Shopifyで商品毎におひとり様一点限りの購入制限設定ができるアプリについて徹底解説|ご利用ガイド
終わりに
今回は、Shopify ストアで購入制限を実現する 2 つの方法を解説しました。
少しでも、お役に立てれば幸いです。ありがとうございました。
参考記事