Shopify ストアでの速度スコアについて、調べ方や改善する方法を徹底解説!
目次
はじめに
Shopify ストアを使用・運用する際、サイトの読み込み速度が遅いなと感じてしまうことはありませんか? 読み込み速度が遅い状態を放置しているとユーザー満足度の低下を招いたり、ユーザーがショップの関連ワードを検索したときにショップサイトの表示される順位が低くなってしまうこともあります。今回は Shopify ストアの速度スコアを計測する方法や、ストアの速度スコアを改善する方法について解説します。
WEB サイトの速度スコアとは
WEB サイトにおける速度スコアとは、サイトのコンテンツやローディングのパフォーマンスを数値にまとめたものです。スコアが高いほどパフォーマンスが良く、ユーザーがサイトを訪れてからコンテンツが表示されるまでの待機時間が短いことを示しています。
速度スコアを改善するメリット
速度スコアを改善すると、サイトコンテンツの表示までが速くなり、それに起因して様々なメリットがあります。
顧客がサイトを使いやすくなる
速度スコアを改善することによって、顧客がサイトを訪れてからコンテンツが表示されるまでの時間が短くなったり、サイト内のページからページへの遷移がスムーズになります。その結果、顧客が閲覧しやすいサイトになります。
離脱率の低下につながる
サイトのコンテンツがなかなか表示されないと、ユーザーは容易にサイトを離れてしまいます。多額の費用をかけて広告やキャンペーンなどで顧客を呼び寄せることができたとしても、すぐに離脱されてしまうのは惜しいことです。
サイトの検索順位が上がる
サイトの速度スコアを改善すると、Google などの検索エンジンがストアサイトのことをユーザビリティの高いサイトとして評価します。ユーザビリティの高さは SEO の観点からみても非常に重要な項目となります。SEO で高く評価されれば、ユーザーがショップに関連するワードを検索した際にストアサイトが上位に表示されやすくなります。
SEO について詳しく解説した記事はこちらから
Shopify で SEO を対策・改善する方法を徹底解説!
速度スコアを測定する方法
速度スコアを測定する方法はいくつかありますが、簡単な方法を 2 つご紹介します。
PageSpeed Insights での測定方法
PageSpeed Insights は、サイトの速度スコアを測定できる、代表的な WEB サービスです。
PageSpeed Insights はサイトのパフォーマンスだけでなく、SEO スコアなども測定できます。
PageSpeed Insights でストアサイトの速度スコアを測定するには、まずPageSpeed Insightsにアクセスします。
以下の画像の通り、URL 入力欄にストアサイトの URL を貼り付けます。
URL を貼り付けたら「分析」をクリックします。
すると以下のようにパフォーマンスなどに関するスコアが表示されます。
各項目がスコア 90 以上であれば良好な結果であると言えますが、EC サイトなど多機能なページで、すべての項目で 90 点以上をとるのはなかなか困難です。なのでスコア 50 を目安として改善すると良いでしょう。もちろん、スコアが高ければ高いほどローディングは速いことになるので、余裕があればさらに改善を進めるとよいでしょう。
Google Chrome の検証ツールでの測定方法
WEB ブラウザとして Google Chrome を利用している場合、検証ツールを使って手軽にストアの速度スコアを測定できます。
検証ツールを用いて速度スコアを測定するには、まず検証したいストアを開いて、適当な場所で右クリックします。するとメニューバーが表示されます。
ここで一番下の「検証」をクリックします。
すると以下のように検証画面が表示されます。
下画像の赤枠の部分をクリックします。
出てきたメニューの中から「Lighthouse」をクリックします。
「Categories」の欄で測定したい項目にチェックを入れます。
「Device」の欄で測定したい環境(Mobile:スマホ、Desktop:PC)を選択します。
「Analyze page load」をクリックして、速度スコアを測定します。
すると以下のような画面に切り替わり、速度スコアが表示されます。
以下が各項目の目安スコアです。
項目 | スコア |
---|---|
Performance | 49 以下で OK |
Accessibility | 70 |
Best Practices | 80 |
SEO | 80 |
速度スコアを改善する方法
目安よりもスコアが低い場合や、さらにストアの速度スコアを高めたい場合は以下の内容を改善するとよいでしょう。
速度スコアが遅い原因を解明する
速度スコアが遅い場合、ストアに何らかの原因があります。速度スコアを悪化させる要因を調査できます。
まずは右クリックで検証を選択して検証画面を表示します。
「Network」を選択して、ローディングにかかる時間を項目ごとに確認しましょう。
「Time」の項目で数字が大きいほど、ローディングに時間がかかっている項目です(※1ms = 1000 分の 1 秒)。
項目をクリックして「Preview」を選択すると、項目がどんな要素なのか具体的な内容を確認できます。要素が画像であれば実際の画像が表示されます。
画像サイズを圧縮してからアップロードする
画像のローディングに時間がかかっている場合、埋め込んでいる画像の解像度が高すぎる場合があります。
その場合、画像のサイズや解像度を下げることによって解決できる場合があります。
試しに解像度が極めて高い画像を商品画像として設定してみると、この画像のローディングだけで 1.5 秒もかかっていることが分かります。
参照: UnsplashのRafael Garcinが撮影した写真
Lighthouse のパフォーマンススコアは 80 となっています。
この画像をiLiveIMGなどを利用してサイズと解像度を下げて商品画像として設定しなおすと、ローディング時間が 0.06 秒まで短くなりました。
Lighthouse のパフォーマンススコアも 86 まで改善できました。
埋め込んでいる動画を YouTube 経由で表示させる
動画を埋め込んでいる場合も、パフォーマンスのスコアを低下させる要因になります。
ページにそのまま動画を埋め込んだ場合、パフォーマンスは 60 程度にまで低下しました。
しかし、動画を YouTube にアップしたものを URL で指定して埋め込んだ場合、パフォーマンスまで 86 にまで改善しました。
速度スコアを改善する場合、動画は直接サイトに埋め込むのではなく、一旦 YouTube にアップロードして、外部動画としてショップサイトに埋め込む方法が望ましいと考えられます。
外部動画としてショップサイトに埋め込む具体的な方法については以下のブログで解説しているので、よければご覧ください。
Shopify で商品ページに動画を挿入する方法を徹底解説!
ただし YouTube 経由で動画を埋め込む場合、サムネイルを設定しないと Shopify デフォルトの画像になってしまい、動画の内容が想像できなくなり、結果的に再生されなくなる可能性があるので、YouTube 経由で動画を掲載する場合はサムネイルの設定を忘れないようにする必要があります。
不要なコンテンツを削除する
処理が重くなるのは画像や動画だけではありません。DOM 要素や CSS スタイルなどもパフォーマンスが重くなる要因になり得ます。
試しに CSS アニメーションを大量に追加したところ、Lighthouse のパフォーマンスが 80 付近から 60 まで下がりました。
CSS アニメーションを追加した後の Lighthouse パフォーマンス
ちなみに、CSS アニメーションを追加する前の Lighthouse パフォーマンスは以下でした。
不要な要素やアニメーションをむやみやたらに詰め込むと、速度スコアを著しく低下させるため、速度スコアを改善したい場合は本当に必要なコンテンツ以外削除すると良いでしょう。
まとめ
今回の記事では、WEB の速度スコアの調べ方や、サイトの速度スコアを改善する方法を解説しました。
Shopify ストア構築の参考にしていただければ幸いです。